はじめに

 放射線治療は手術、化学療法とともにがん治療の3本柱の1つとされます。根治的な治療から症状を和らげる緩和的な治療までその守備範囲は広く、がん集学的治療の中でも重要な役割を担っています。現代の日本社会では2人1人ががんを患うとも言われ、放射線治療の需要は今後も益々増えてくると予想されます。また欧米と比較して放射線治療の適用率は低く、この差は日本の放射線治療の今後の大きな発展性を有していると考えられます。

 また国の第2次がん対策推進基本計画で放射線治療の推進は重点課題として取り上げられており、放射線治療の発展は社会からも望まれている現状です。 ぜひ私たちとともに日本の放射線治療を担っていきましょう。

専門医取得まで

 入局後は日本専門医機構によって規定される専攻医研修を受けていただいております。放射線治療の研修は2階建てになっており、1階部分の放射線科専門医を取得のためには放射線治療の知識だけでなく放射線診断学分野(画像診断、核医学、血管内治療など)も含めて学ぶ必要があります。当科では、放射線診断学分野を扱う放射線医学講座と緊密に連携、協力しており、それらを十分に学べる環境を提供しています。最短で3年間で放射線専門医試験を取得することができます。

 放射線科専門医を取得後は、当院を中心に引き続き修練医研修を受けていただきます。放射線治療専門医を目指してより専門的な研修を提供しております。放射線治療の標準的内容をある程度1人で行うことができるレベルにまで引き上げます。最短で放射線科専門医取得してから2年後に放射線治療専門医を取得することができます。

大まかな流れ

大まかな流れ

当科の研修の特長

研修の様子

  • 島根県内には医療圏が複数ありますが、県内のがん治療の主体を担うのは大学病院です。県内のがん患者が集中する当院では疾患に偏りなく幅広い領域の癌腫について学ぶことが出来ます。
  • 他の診療科とのカンファレンスを積極的に行なっています。横断的に様々な癌腫の治療に携わる放射線腫瘍医はこのようなカンファレンスで重要な役割を担っています。カンファレンスを通して他科の先生方とともに知識や考え方を深めていくことができます。

 

 

専攻医研修プログラム

放射線腫瘍学講座/放射線治療科では放射線診断科と協力して、「島根放射線科専門研修プログラム」という専攻医プログラムを提供しております。

卒後臨床研修センターのホームページに詳細が掲載されておりますので、下記のリンクから基本領域プログラム紹介のなかの「放射線科」のバナーをクリックすれば、最新の放射線科研修プログラムがご確認いただけます。是非ともご覧ください。

島根大学医学部附属病院卒後臨床研修センター専門研修のページへリンク:https://shimadaizm.jp/medical_specialist/index