子宮頸癌根治照射におけるハイパーサーミア併用の腫瘍縮小率および完全奏効率への影響:後ろ向き観察研究
2025年01月22日
2024年11月13日ver.1.0
研究課題名
子宮頸癌根治照射におけるハイパーサーミア併用の腫瘍縮小率および完全奏効率への影響:後ろ向き観察研究
研究の対象となる方
2018年3月から2024年9月の間に島根大学医学部附属病院で子宮頸癌に対して根治的な放射線治療を受けられた方
研究の目的・意義
本研究は、子宮頸癌に対する放射線治療において、温熱療法(ハイパーサーミア)を併用することで治療の結果にどのような影響を与えるのかを調べることを目的としています。具体的には、温熱療法を併用した患者さんと併用しなかった患者さんで、治療途中の腫瘍の縮小や治療後の完全奏効率(がんが完全になくなった割合)を比較します。
ハイパーサーミアは放射線治療と併用して行う治療ですが、腫瘍を温めて治療効果を高める安全性の高い方法です。副作用が少なく、患者さんへの負担も少ないため注目されていますが、その有効性については十分なデータがありません。今回の研究では、治療中および治療後のデータをもとに、その効果を評価します。この研究によって、ハイパーサーミアの併用が治療効果により良い影響を与える可能性を示すことができれば、今後の子宮頸癌の治療成績の向上に役立つ可能性があります。
研究の方法
2018年3月から2024年9月の間に島根大学医学部附属病院で子宮頸癌に対して根治的な放射線治療を受けられた方が対象となります。
カルテより画像情報や診療データ(年齢、Performance Status(ECOG)、子宮頸癌診断時の病期、現病歴、既往症、併存症、内服歴、家族歴、生活歴、身体所見、血液検査、膀胱鏡検査、下部内視鏡検査、病理検査、放射線治療開始時期、放射線治療終了日、外部照射の投与線量、腔内照射の投与線量、同時化学療法の薬剤・投与回数・投与量)を取得します。
また、ハイパーサーミアを併用した患者さんについては、ハイパーサーミアの実施回数、各回における正味治療時間、最低出力、最大出力、最大維持出力、温度センサーを加温部付近まで挿入して持続的に記録された直腸温度のデータを取得します。
研究開始以前に取得された情報を用いるため、今回の研究によって対象の方にとって特別の利益や不利益は生じません。
収集したデータは、島根大学医学部放射線腫瘍学講座内の外部から容易にアクセスできないPCに保管します。PCにはセキュリティを設定し、パスワードで使用可能な研究者を制限します。研究対象者リストはデータとは別に、施錠可能な場所で研究責任者が適切に保管します。外部への持ち出しは行いません。
研究に関するデータ及び関連資料(研究に関する手続き資料を含む)は、研究結果の最終報告を行ってから10年間は保管し、その後保管の必要性がなくなった時点で研究対象者の識別が不可能な状態で廃棄(消去)します
研究の期間
2024年12月(研究許可後)~2026年3月
研究の公表
この研究から得られた結果は、医学関係の学会や医学雑誌などで公表します。その際にあなたのお名前など個人を識別できる情報を使用することはありません。
研究組織
この研究は次の機関が行います。
研究責任者:島根大学医学部放射線腫瘍学講座 玉置幸久
研究事務局:島根大学医学部放射線腫瘍学講座 長野奈津子
情報の利用停止
ご自身の情報をこの研究に利用してほしくない場合には、ご本人または代理人の方からお申し出いただければ利用を停止することができます。
2025年11月27日より開催される第38回日本放射線腫瘍学会にて発表予定であり、2026年3月末までに医学雑誌への公表を行う予定です。これらの機会に情報を利用してほしくない場合は、2025年6月末までにお願いいたします。それ以降は解析・結果の公表を行うため、情報の一部を削除することができず、ご要望に沿えないことがあります。
相談・連絡先
この研究について、詳しいことをお知りになりたい方、ご自身の情報を研究に利用してほしくない方、その他ご質問のある方は次の担当者にご連絡ください。
- 研究責任者:玉置 幸久
- 島根大学医学部放射線腫瘍学講座/附属病院放射線治療科
- 〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
- 電話 0853-20-2582