ご挨拶

玉置幸久島根大学医学部放射線腫瘍学講座/島根大学医学部附属病院放射線治療科の玉置幸久(たまき ゆきひさ)と申します。
このたびは、私どものホームページをご覧くださいましてありがとうございます。

当講座はがんプロフェッショナル養成プランを基盤として2008年に誕生しました。初代 内田伸恵先生、二代 猪俣泰典先生が講座/診療科の基礎をつくられました。

当講座のミッションとしては、第一に、地方に生きる大学として、地域の皆さまに高度な放射線治療を提供することが大きな役割と考えております。すべてのがん領域において、東京や大阪の大学病院と同等以上の水準を患者さまに提供できることを軸に据えております。

次に地方から世界に発信できる魅力ある研究成果を出すことが挙げられます。 当院が開院して以来、すべての放射線治療情報をデータベース化しております。この膨大な臨床データを生かした様々な臨床研究を推進しています。

また放射線生物学や物理学に立脚した基礎研究あるいはトランスレーショナルリサーチにも積極的に取り組んでいます。本学の他講座/他診療科あるいは、他院の放射線治療科と幅広くコラボレーションを行うことで、様々な視点に基づいた多様な研究を行っています。

そして教育です。
当講座は教育を最大のミッションに掲げております。

筆者は日本医学教育学会の医学教育専門家の資格を取得しております。新時代の要請に応える質の高い医学教育をエビデンスに基づいた教育方略で実現していきます。

どの診療科に進んでも、がん患者さんに関わるかぎり必ず放射線治療の知識は必要です。医学生教育では放射線腫瘍学の基本的事項と臨床上のポイントを講義や実習を通じて教授しています。また、医学生教育以外にも看護学生教育、大学院生教育、そして本学大学院自然科学研究科と連携した医理工農連携大学院にも力を注いでおり、放射線腫瘍学の裾野を広げる努力をしております。

わが国で放射線治療をお受けになる患者数は欧米の半分程度にとどまっています。この理由はいろいろとありますが、最大の理由の1つは放射線治療専門医の深刻な不足にあります。
医師免許を有する者(医師)は全国で30万人以上いるにも関わらず、放射線治療専門医はわずかに1200人足らずです(2018年現在)。
島根県の状況はさらに深刻であり、県内の放射線治療専門医はこの数十年間、1桁台(10名未満)のままです。

他方、放射線治療の技術が進歩し、患者さんの放射線治療への期待やニーズはますます大きくなっております。
この深刻な放射線治療不足を打破するために、当講座では放射線治療に携わる人材育成を最重要課題に据えて、積極的な教育活動を展開しております。

当院は島根県の都道府県がん診療拠点病院に指定されており、島根県内外から多くのがん患者が来られます。したがって、満遍なく全領域の放射線治療を研修することができます。外部照射ではIMRT(強度変調放射線遅漏)、STI(定位放射線照射)などの最先端の高精度放射線治療を勉強できるほか、緩和照射にも力を入れており、患者さんに寄り添う医療の実践を学んでいただきます。腔内照射や組織内照射、アイソトープ治療なども行っており、ほぼすべての放射線治療モダリティを研修できます。

医学生・研修医の皆様方におかれましては、放射線治療に興味を持っていただき、最先端の放射線腫瘍学を勉強し、発展させる情熱のある若手医師を広く募集します。
当講座は直近5年で6名の新規入局者を迎え、放射線治療専門を目指して修練を積んでおります。若く活気があり、かつアットホームな医局の雰囲気ですので、是非見学に来てください。

講座に集う先生方の目標やライフプランを実現するために最大限の支援を行います。

島根県、中国四国地区、そして全国に、さらに世界へと羽ばたく放射線腫瘍医を育てることが私の夢であり、使命と考えています。
夢を実現させるために私たちとともに歩んでいきましょう。

島根大学医学部 放射線腫瘍学講座
島根大学医学部附属病院 放射線治療科
 玉置 幸久